SSBJ基準の有報適用、時価総額3兆円以上は2027年3月期から 初年度は二段階開示を認める

SSBJ基準の有報適用、時価総額3兆円以上は2027年3月期から

金融庁は2026年2月20日、企業内容等の開示に関する内閣府令を改正し、東証プライム市場の大規模な上場会社に、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が公表した基準に沿った開示を有価証券報告書で義務づけた。最初の適用は、時価総額3兆円以上の会社の2027年3月期である。

目次

何が起きたか

改正後の内閣府令(第19条の9)は、東証プライム市場に上場し、平均時価総額が1兆円以上の会社にSSBJ基準による記載を求める。それ以外の提出会社は任意で適用できる。金融庁は同日、SSBJ基準を告示で指定している。なお、金融庁は意見募集への回答(別紙1)で、時価総額5,000億円以上1兆円未満のプライム市場上場会社には2029年3月期からSSBJ基準を適用する方針に触れている。今回の第19条の9の対象は、平均時価総額1兆円以上の会社である。

ポイント

  • 適用時期は、令和8年3月31日以後に終了する事業年度の末日を基準とした平均時価総額が3兆円以上の会社が、2027年3月期の有価証券報告書から。原則は2028年3月期からで、1兆円以上3兆円未満の会社が対象となる。
  • 適用を開始した年度とその翌年度は、情報の一部を記載せず、後に訂正報告書で補う二段階開示を認める。
  • 開示事項として、SSBJ基準へ準拠した旨と、二段階開示や基準上の経過措置の適用状況を加える。
  • 将来情報とScope3の温室効果ガス排出量の定量情報には、推論の過程や社内の開示手続の記載を求める。Scope3は、要因や推論過程を合理的な範囲で具体的に記載していれば、虚偽記載等の責任を負わないとの考え方を示した。

実務への示唆

実務上のカギは、二段階開示を前提に、初年度に有価証券報告書へ記載する範囲と、訂正報告書で補う範囲を、決算スケジュールとあわせて決めておくことである。

  1. 補完する情報を先に特定する。二段階開示は適用年度と翌年度に限られる。例えば、Scope3のように算定に時間のかかる項目を、補完の対象として取締役会に報告しておくことが考えられる。
  2. 推論過程の記載を作業に組み込む。将来情報とScope3には、推論の過程と社内手続の記載が求められる。例えば、算定に用いた前提を、監査役会と共有する手順を定めておくことが考えられる。
  3. 時価総額の区分を自社で確認する。3兆円以上は2027年3月期、1兆円以上3兆円未満は原則2028年3月期である。例えば、前事業年度末とその前4事業年度末の時価総額の平均(平均時価総額)を試算し、適用年度を確認しておくことが考えられる。

出典

(ガバナンス・ダイジェスト編集部)

文:ガバナンス・ダイジェスト編集部

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