東京商工リサーチの調査によると、2026年3月期決算の上場企業で役員報酬1億円以上を開示された役員は934人と過去最多を更新しました。開示企業数も387社と最多です。報酬上位5人のうち4人を外国人役員が占めています。
何が起きたか
- 役員報酬1億円以上の開示は934人で過去最多
- 開示企業数は387社で最多を更新
- 報酬額上位5人のうち4人が外国人役員
ポイント
報酬水準の上昇は、業績連動報酬の拡大と経営人材のグローバル獲得競争を反映したもので、このトレンドは今後もしばらく続くと見られます。見落とされがちなのは、報酬水準は一般に、役員自身のジョブセキュリティと反比例するという原則です。年俸10億円超が珍しくない海外企業のCEOは、その分、結果が出なければ解任されるリスクが日本企業よりはるかに高い。日本では役員任期を全うするのが今なお標準的ですが、報酬が国際水準に近づくほど、再任のハードルと解任リスクもそれに見合って上がるのが自然な帰結です。報酬の増加は「濡れ手で粟」ではなく、役員本人にとって、より厳しいミッション遂行の義務を引き受けることを意味します。
実務への示唆
- 報酬水準の引き上げと整合するよう、役員の再任・解任基準を定期的に見直す
- 「報酬増額の議案には賛成するが、その分、再任のハードルは厳しくなっているのか」という株主の問いに、説明責任を果たせる準備をしておく
- 報酬委員会は、報酬水準のベンチマーク(比較対象企業群)の設定根拠と、業績連動指標と中期経営計画KPIの整合を点検する
出典:東京商工リサーチ「2026年3月期決算 役員報酬1億円以上の開示」
(ガバナンス・ダイジェスト編集部)

