2026年6月の株主総会で株主提案を受けた企業は101社(大和総研・6月12日時点速報)。前年の111社には及ばないものの過去2番目の水準で、うちアクティビスト投資家による提案は52社と過去最多を更新しました。
何が起きたか
- 株主提案を受けた企業は101社(過去2番目の水準)。別に6社で提案の取下げ・撤回・不受理
- アクティビスト投資家による提案は52社(前年51社)で過去最多を更新
- 環境NGOによる気候変動関連の株主提案は本年は実施されず、取締役再任への反対キャンペーンへと戦術が変化
ポイント
提案の矛先が「議案」から「人」へ移っています。定款変更や増配要求に加え、役員の選解任という経営の中枢に踏み込む提案が増え、環境系株主も個別議案の提案より、取締役再任への反対という「人への投票」で圧力をかける手法にシフトしています。取締役一人ひとりが「なぜこの人がこの取締役会に必要なのか」を問われる時代に入ったと言えます。
実務への示唆
- 翌年総会に向け、個々の取締役の役割・実績を「選任理由」として説明できる材料を平時から整備する。鍵は、多くの企業が既に開示しているスキルマトリックスとの連動であり、マトリックスを選任理由の根拠として積極的に位置付けられているかを検証する
- スキルマトリックスは本来、経営戦略 → 自社の取締役会のあるべき姿の規定 → それに応じた取締役構成・スキル要件の設定、という順番で導き出されるもの。この筋道に沿って自社のマトリックスを再検証することが、選任理由の説得力を左右する
- 大株主・機関投資家とのエンゲージメント記録を体系化し、想定問答を「議案別」から「取締役個人別」へ拡張する
出典:大和総研「2026年6月株主総会の株主提案数(速報)」
(ガバナンス・ダイジェスト編集部)

