上場会社の27%に20〜50%の大株主──東証が持分法適用会社の少数株主保護を検討

上場会社の27%に20〜50%の大株主──東証が持分法適用会社の少数株主保護を検討

東京証券取引所は10月2日の研究会で、持分法適用関係にある上場会社(上場関連会社)にも、少数株主保護のための開示制度や手続規制を設けることを検討課題として示した。20%以上50%未満の大株主を持つ上場会社は1,001社に上り、親会社を持つ上場子会社より多い。

東証の研究会資料の数値を示した象徴画像
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何が起きたか

  • 東証は10月2日、「従属上場会社における少数株主保護の在り方等に関する研究会」(第10回)で、上場関連会社に対する少数株主保護の上場制度を「あらためて検討することとしてはどうか」と提案した。
  • 20%以上50%未満を保有する大株主(親会社と個人株主を除く)を持つ上場会社は、2026年7月時点で1,001社、上場会社の27.0%だった。2019年は777社(21.4%)だった。
  • 内訳は、20%以上30%未満が444社、30%以上40%未満が397社、40%以上50%未満が160社である。上場子会社は183社(4.9%)で、2019年の313社(8.6%)から減った。
  • 検討する内容は、上場関連会社への少数株主保護に関する開示制度と、その他の関係会社(大株主)との取引に関する一定の手続規制である。各種開示書類の重複の解消など、現行の開示制度の整理も併せて行うとしている。

ポイント

東証は、親子関係にある企業ではグループ経営の検討や開示が進んでいる一方、持分法適用関係にある企業には、親子関係に準じた利益相反のリスクがあるのに、少数株主保護の開示制度や手続規制が限られていると整理した。支配株主を持つ会社には少数株主保護の方策などの開示を求めているが、上場関連会社には、グループ経営に関する開示を推奨しているにとどまる。東証が2023年12月に開示の充実を要請したのに対し、2025年7月時点で開示したのは、その他の関係会社81社、上場関連会社240社だった。

東証の調査では、3月期の上場関連会社402社のうち、その他の関係会社との取引関係または役員の兼務のいずれかがある会社は86%(345社)だった。東証は、2026年7月に、40%以上の議決権を持つ株主がいる会社に、取締役選任議案への少数株主の賛成割合の開示を義務づけている(2026年12月期の定時株主総会から順次適用)。今回の検討は、この対象より持株比率の低い会社に広げるかどうかが焦点になる。

実務への示唆

1. 自社の位置づけを確認する:20%以上の大株主を持つ上場会社は、現行制度では開示が推奨にとどまっていても、今後は開示や手続が求められる可能性がある。例えば、大株主との取引や役員の兼務の状況を整理し、その実態を開示できるか、関係部門で議論することが考えられる。2. 大株主との重要な取引の決定手順を点検する:例えば、独立社外取締役を含む会議体が、取引条件の公正さを事前に確認する手順を設けることが考えられる。3. 大株主側も影響を見込む:例えば、持分法適用会社との取引や役員派遣の方針を、グループ経営の考え方として整理しておくことが考えられる。

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出典

(ガバナンス・ダイジェスト編集部)

文:ガバナンス・ダイジェスト編集部

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