日本取引所グループ(JPX)が算出する株価指数TOPIXは、構成銘柄の選定を流動性基準に改め、初回の定期入替を2026年10月の最終営業日に実施する。継続して選定されない銘柄は、2028年7月までの8回に分けてウエイトが下がる。
TOPIXは、2022年4月の東証の市場区分再編を受けた見直しの第一段階を2025年1月末に完了している。JPXの「TOPIXの見直し」のページによると、今回は第二段階にあたり、プライム、スタンダード、グロースの全市場区分を対象に、流動性をより重視した定期入替を段階的に実施する。

目次
何が起きたか
JPXの「TOPIX算出要領」(2026年7月24日発行、同年10月1日版)によると、定期入替は年1回、10月の最終営業日に行う。基準日は8月の最終営業日で、初回は2026年、2回目は2028年である。選定結果は10月第5営業日にJPXのウェブサイトで公表するとしている。
ポイント
- 選定の母集団は、基準日時点でプライム、スタンダード、グロースの3市場に上場する銘柄である(整理銘柄と特別注意銘柄を除く)。
- 選定は2つの流動性基準をともに満たすことが条件になる。新規に追加する銘柄は、年間売買代金回転率が0.2以上、かつ浮動株時価総額の累積比率が上位96%以内である。現構成銘柄の継続は、それぞれ0.14以上、上位97%以内とする。
- 初回の入替で継続選定されない銘柄は、2026年10月から2028年7月まで四半期ごとに、浮動株比率へ乗じる移行係数を0.875、0.750、0.625、0.500、0.375、0.250、0.125と下げ、8回目の2028年7月に0とする。
- 2027年8月を基準日とする再評価で継続基準を満たした銘柄は、係数の低減が止まり、0.500が続く。JPXの2026年10月7日付の発表は、移行措置銘柄の再評価を2027年10月に予定するとしている。
- 浮動株時価総額ベースのウエイトは10%を上限とする。
実務への示唆
実務上のカギは、指数への採否が、ガバナンスの評価ではなく売買代金回転率と浮動株時価総額で決まる点を踏まえ、自社の流動性を株主構成とあわせて把握することである。
- 基準日の数値を自社で確認する。回転率の基準値は継続0.14、追加0.2と差があり、基準日は8月末である。例えば、直近の年間売買代金回転率と浮動株時価総額の順位を、IR担当と取締役会で共有することが考えられる。
- 2027年8月の再評価を節目として捉える。移行措置の対象になった銘柄は、この再評価で継続基準を満たせば係数が0.500で止まる。例えば、流通株式の増加につながる施策を、この基準日までに取締役会で決定することが考えられる。
- 編集部の推察として、政策保有株式の縮減や支配株主の持株比率の見直しは、浮動株時価総額の拡大を通じて基準に影響し得る。ただし、算出要領はこれらの施策を選定基準に挙げておらず、効果は個別の株主構成による。
出典
- 日本取引所グループ「TOPIX算出要領」(2026年10月1日版) https://www.jpx.co.jp/markets/indices/topix/tvdivq00000030ne-att/cal2_30_topix_rev.pdf
- 同「TOPIXの見直し」(第一段階・第二段階の説明) https://www.jpx.co.jp/markets/indices/revisions-indices/index.html
- JPX総研「TOPIX等の株価指数における構成銘柄の定期入替等について」(2026年10月7日) https://www.jpx.co.jp/news/6030/20261007-01.html
(ガバナンス・ダイジェスト編集部)

